いびき 睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群には3つタイプがあります。そのうち84%と最も多いのが閉塞性睡眠時無呼吸症候群です。
その原因には4つあり、マウスピースやCPAPはその1つの原因に対する対処療法に過ぎません。薬による治療もあり、現在研究中の治療法もありますが、何も使わなくとも無呼吸症候群が治る方法もあります。
睡眠時無呼吸症候群の4つの原因
@解剖学的上気道径狭小化
A低い覚醒閾値
B呼吸調節系の不安定性
C上気道代謝性低下
当院での閉塞性眠時無呼吸症候群の治療手順
まず原因@解剖学的上気道径狭小化に対して検査を始めます。これは気道の周囲の舌や喉、粘膜などが気道をふさぐ事が原因で気道が狭くなりでいびきをかきくという意味です。
当院で問診とレントゲンから鼻通りを確認します。もし鼻通りが悪い場合は提携先の耳鼻科での鼻の真ん中の軟骨が湾曲している方や鼻の両側の軟骨が大きすぎる場合も小さく修正頂き鼻の通りをよくします。
いびきは口呼吸が主な原因であると考えております。
本来、口は物を食べる所、鼻は呼吸をする所です。鼻通りが悪いと判断された方はまず鼻通りから良くする処置を先行されることをお勧め致します。
次に口の中を拝見し、
A)上顎が狭い
B)舌先が上についていない
C)下顎が奥に引っ込んでいる
D)唇が開いている
E)唇を上下閉じようとすると顎先に梅干しのような皺が寄る
F)下の前歯より上の前歯が出ているのが目立つ等
上記いずれかに当てはまる場合は当院でそれぞれの矯正を行い口の中を正常な大きさに戻し、舌が適正な位置に戻る訓練をする事でいびきの改善を図ります。
これらにより閉塞性眠時無呼吸症候群の4つの原因の中の1つ
@解剖学的上気道径狭小化の根本的な解決を目指します。
しかし、鼻や口、顎、舌の矯正を望まない場合、妥協的な治療になりますが対症療法を行います。まず提携先の呼吸器内科等で終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG検査 1万5000円程)を受けて頂きます。その結果が
重症
中頭度
軽症
によって治療法が変わります。
A)軽症の場合;マウスピース
上のようなマウスピースをはめて寝る事で下顎を前に出し気道の周囲が広がる為いびきの緩和に使用して頂きます。
作成費用は保険で約8,000円ほどになります。
B)中等度から重症の場合;耳鼻科や呼吸器内科でのCPAP
このマスクをはめて寝ると空気を喉に送り込む事で気道の周囲が膨らみ気道が狭くなるのを防ぐ事でいびきの予防が出来ます。
機械は購入すると30万円しますが、レンタルも可能です。
また使用続ける限り診察代として毎月約5,000円かります。
マウスピースとCPAPの併用
併用例@
CPAPはその大きさの為、出張先に持っていけない等職使用制限があります。その場合は先ほどのマウスピースを出張先に持って行き、家でCPAPと併用する場合は可能です。
併用例A
CPAPを着けても寝られない方の中には、CPAPの空気圧が気になるとい方もいらしゃいます。その時も、先ほどのマウスピースを併用することでCPAPの圧力を減らせるのです。このように、CPAP単独で難しい状況もマウスピースと併用することでCPAPが使い易くなる事もあります。
併用例B
一般的にCPAPは一晩に4時間以上の使用が良いですが、1時間しか使っていない方もいます。それはCPAPをつけても寝ている間無意識にマスクを外したり着け忘れる事があるからです。
そのような時も先ほどのマウスピースをするといびきが減り、眠気も少なくなる事があります。
しかし、それでも終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG検査)で調べると数値は良くなっていない事があります。
その場合は、次のCの方法になります。
C)どちらの方法よりも効果的な方法
意外ですがとても効果的な方法です。ご興味あればご来院時にお伝えします。
しかし、これらはすべて原因@の対応だけなので、まだいびきや睡眠時無呼吸症候群の十分な改善に至らない場合、当院では
原因A低い覚醒閾値(深い眠りが出来れば気管が狭くならずいびきもかかないが、浅い眠りなので気管が狭くいびきをかく)
原因B呼吸調節系の不安定性(無意識で呼吸を行う延髄神経が不安定になり息吐くだけで吸わなくなると気道を開く筋活動が低下し気道がせまくなりいびきかく)
の対応も必要であると考え、その場合には適切な医院にご紹介もできればと考えております。
ただし原因C上気道代謝性低下(ストローを吸うとストローが凹むように、元々息を吸うだけで気道が狭くなります。それを防ぐ為に神経反射が働くのですが、その神経がうまく働かなくなり結果吸うたびに気道狭くなりいびきかく)についてはまだ検証段階のため治療にはまだ時間がかかりそうです。
(治療ができるようになり次第お伝え致します。)